北京市高齢者の養老介護サービス利用希望およびその関連要因に関する研究
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概要
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中国では,養老介護サービスの供給量が少ないにもかかわらず,サービスの利用率が低いことが問題となっている.本研究は,中国北京市S区の2つの社区において70歳以上高齢者607人を対象に,施設入居サービス,ホームヘルプサービス,ショートステイサービス,デイサービスの4種類のサービスに対する利用希望の実態を調査した.4種類の介護サービスの利用希望と関連する要因を,多項ロジスティック回帰分析によって調べた.その結果,要介護高齢者と低収入高齢者において,サービスの利用希望が低い傾向が認められた.現在の中国の養老介護サービスは,要介護状態の人に対して十分対応しきれていないこと,低所得高齢者にとって特に施設入居の費用負担が困難なことがその理由であると考えられた.今後中国都市部の養老介護サービスにおいて,要介護高齢者のニーズにこたえるサービスを促進する必要があることと,低所得高齢者に配慮した介護政策を強化することが課題であると考えられる.
- 2008-02-29
著者
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鄭 小華
大阪府立大学大学院人間社会学研究科
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黒田 研二
大阪府立大学人間社会学部
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黒田 研二
大阪府立大学人間社会学部大学院人間社会学研究科
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黒田 研二
大阪府立大学 看護学部
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黒田 研二
大阪府立大学
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