オーストラリアのクリティカル・ソーシャルワーク理論における社会正義概念とポストモダニズムの影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年国際的に注目されるようになったオーストラリアのソーシャルワーク研究者たちは,普遍的原理としての社会正義概念を基盤としながら,ポストモダニズム思想を導入し,クリティカル・ソーシャルワークとして発展させてきた・しかし,普遍的な概念を基盤とする社会正義概念とそのようなメタ概念を相対化しようとするポストモダニズムといった2つの相反する価値をひとつのソーシャルワーク理論の価値基盤として統合することが可能なのかという困難な理論的課題があった.本稿は,オーストラリアのソーシャルワーク研究者がクリティカル・ソーシャルワーク理論をどのような経緯をもって導入し,発展させてきたか,その理論的変遷を描くことを試みた.社会正義を基盤とするクリティカル・ソーシャルワーク理論がポストモダニズムの影響を受けて,その相反する価値の統合・共存の一方法として,ソーシャルワークの主体に対して反本質主義の視座を採用したことを論じた.
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2007-11-30
著者
関連論文
- ワークショップ2 プレイバック体験、その雑感的まとめ (第37回日本臨床心理学会総会の記録)
- 社会福祉専門職と相談 : 在宅介護支援センターの政策展開との関係性からの検討
- オーストラリアのクリティカル・ソーシャルワーク理論における社会正義概念とポストモダニズムの影響
- 高齢者在宅福祉サービスにおける地方分権と地域民主主義の重要性 : オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の2つの地方自治体におけるケーススタディを通して