実習体験の「語り」をとおした学生の自己視点形成プロセスの研究 : グループによる事後学習のグラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた分析
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概要
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本研究は,実習教育における実習後のグループによる学習過程を,質的研究方法論のグラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて理論化することを目的としている.データの収集は,A大学の教員1人と学生14〜20人で構成された2つのグループの各1年間の全授業に参加し,主に参与観察により行った.今回の研究では,事後学習に関するデータを,学生の発話行為に着目して分析した.その結果,「自己視点の形成」というコア・カテゴリーと,それを構成する4つのカテゴリー,「個からの表出」「他者との共働」「外在化による展開」「己との向き合い」が生成された.本分析により,グループによる事後学習のプロセスと構造の一例が提示され,「語る」内容に,教員,学生同士の関係や聴者の反応が影響していることが示唆された.また,ナラティヴ・アプローチとの共通点を見いだすことができた.さらに,学生の能動的な発話行為を保障するために,教員の意図的な介入の必要性も示唆された.
- 2005-03-31
著者
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