福祉行政のためのNPM
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概要
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近年の福祉改革の基底をなすニュー・パブリック・マネジメント(NPM)論は,公共部門への市場メカニズムの導入を主たる特徴としている。こうした動きは公共サービスの改善に資する可能性もあるが,NPMは福祉行政において重要な価値を軽視している側面があり,また市場メカニズムは福祉サービスになじまないという問題もある。そこで,本稿では福祉部門においてNPMを取り入れる際に注意すべき点を考察し,福祉行政に適したNPMのモデルを提示する。構成は次のとおりである。まず第I章で本稿の問題意識と目的を明らかにする。次に第II章でNPMの要素を3つ抽出し,「NPMとはなにか?」を説明する。そして第III章で特定された要素ごとに「なぜNPMは福祉政策に純粋な形では導入できないのか?」を福祉サービスの特性との関連で説明する。最後に第IV章で「こうした問題点を解決するためにはどのようにNPMのモデルを修正すべきか」を考察する。
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2003-03-31