社会福祉援助必要者の早期発見・スクリーニング : プライマリケアにおけるシステムと効果
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概要
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本研究の目的は,プライマリケアにおける社会福祉援助必要者の発見・スクリーニングシステムとその効果の実証的検討である。調査対象は愛知県江南市・昭和病院外来患者のうち新規にMSWに紹介され,援助を受けた患者である。MSW業務統計(約11年分の月報,35か月分の日報),患者調査(40名)よりデータを収集し,分析した。おもな結果は次のとおりであった。(1)ケース発見・スクリーニングシステム構築後は,システム単独運用より継続看護などの看護システムと連動した運用のほうがケース発見・スクリーニングされた患者比率は高かった。(2)問題(生活問題の直接・間接の原因となる疾病・障害等)悪化〜MSW紹介までの平均月数は,ケース発見・スクリーニングされた患者群0.2か月,患者本人・家族自らがMSW室を訪れた患者群1.07か月で,前者のほうが有意に短かった。プライマリケアで早期発見・スクリーニングを促進させるためには,患者を見続ける継続看護などのシステムと連動したシステムが有用であることが示唆された。
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2002-08-31