血液透析患者の対処 : 共分散構造分析によるモデル構築の試み
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概要
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本稿では,血液透析(HD)による生活上のストレスに対して,HD患者がいかに対処しているかを示すモデルを構築し,共分散構造分析により検証した。研究方法としては,597名のHD患者を対象に,HDへの対処について5件法により作成した調査票を用いて,質問紙法による調査を実施,407名(68.2%)から有効回答を得た。分析は,探索的因子分析(最尤法)により抽出した7つの因子を潜在変数として,仮説に基づいた対処モデルを構築し,共分散構造分析によりその適合性を検証していった。その結果,「情報探索」を起点として「結果の予測」「気分転換」に至るHDへの対処モデルについて,χ^2(128)=356.901, p<.001, CFI=.985, RMSEA=.066と十分な適合度を示すモデルが得られた。本稿では,このモデルの解釈とともに,ソーシャルワーク実践のために必要な調査研究と援助プログラムの開発についても述べている。
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2002-08-31
著者
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