評価関数の進化 : 効用関数は条件適応的に生成されるか?(主観評価と主観確率・ベイズ,日本行動計量学会 第38大会 抄録集)
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概要
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行動主体が直面する条件に適応して評価関数(効用関数,確率重みづけ関数)が生成されるというアイディアを計算機実験によって検証した.リスクを含む選択肢を乱数で発生させ,仮想の行動主体がその選択肢の中から評価関数を使って選択を行うシミュレーションを実施した,行動主体の評価関数は遺伝的アルゴリズムによって世代を通して進化する.主たる結果は以下である.(1)生き残り基準(それ以上の利得を取らなければ子孫を残せない)を設定することで,効用関数はリスク回避的になる.(2)正の結果と負の結果に対する確率重みづけ関数は異なる.概して,行動主体は負の結果の生起を大きく評価する.(3)選択肢の数が減少すると効用関数はリスク回避的になる.これらの結果は,評価関数が環境条件への適応として変異するというアイディアを支持する方向にある.
- 2010-09-22
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