「慈悲深い帝国主義」とヘンリー・スティムソン : -アメリカの1920年代におけるニカラグアおよびフィリピン政策-
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿は,20世紀前半期のアメリカにおいて主要な対外政策の立案と決定に関与したヘンリー・スティムソン(Henry L. Stimson)を引き続き考察するものである。特に,19世紀末から1920年代におけるアメリカの帝国主義政策を概観し,スティムソンが直接かかわったニカラグアおよびフィリピン政策を考察する。中米やフィリピンに対するスティムソンの姿勢は,基本的には宗主国の利益や立場を最優先させる当時の帝国主義的な政策を反映するものであった。しかしその一方で,この時期のスティムソンには,他の政治指導者にはない際立った特徴が認められる。例えば,軍事介入を抑制し,現地指導者との交流を深めようとする姿勢である。その独特の外交スタイルの背景を検証し,その後のスティムソン外交との関連を考察する。
著者
関連論文
- 「慈悲深い帝国主義」とヘンリー・スティムソン : -アメリカの1920年代におけるニカラグアおよびフィリピン政策-
- アイゼンハワー政権後期における核軍縮交渉--核実験停止をめぐる問題を中心に
- アメリカの初期原子力政策とシビリアン・コントロール--マクマホン法の再検討
- スティムソン・ドクトリンと1930年代初頭のアメリカ外交
- 20世紀初頭におけるアメリカの政治・外交とヘンリー・スティムソン
- 「スティムソン文書」:アメリカの初期核政策との関連で
- 原爆投下決定における「公式解釈」の形成とヘンリー・スティムソン
- 書評 American Prometheus: The Triumph and Tragedy of J. Robert Oppenheimer. By Kai Bird and Martin J. Sherwin. Alfred A. Knopf, 2005, 721pp.
- オッペンハイマー事件とエドワード・テラー
- アメリカの原子力開発とエドワード・テラー(2)
- アメリカの原子力開発とエドワード・テラー(1)
- アメリカの初期原子力政策と科学行政官の役割--ブッシュとコナントを中心に
- アメリカの第二次世界大戦参戦とヘンリー・スティムソン