自然言語のモジュラー構文構造について
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概要
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自然言語の構文構造をどのように捉えるかは,それ以降の自然言語処理に重要な影響を与える.自然言語のアプリケーションやサービスシステムの開発において,種々の言語処理ツールを組み合わせて構築されることを想定すると,構文解析の出力インタフェースの要件は,できるだけ文法カテゴリに依存しない表現かつ,どの自然言語にも共通的に適用できる表現が望ましい.これまでは,各ツールが単独であったり,特定のツールを想定した垂直的な開発が主であったためこのような制約条件は余り注目されていなかった.しかし,様々な機関や個人で開発された NLP ツール,機械翻訳システム,自然言語サービスが公開されるようになると,このようなインタフェースの共通化への要求が自然に生まれてくる.ここでは,構文解析の段階でこの要件を満たすと考えるモジュラー構文構造を提案し,オープンな構文解析エンジンの解析出力を当該モジュラー構造に変換することを示す.また,この構造を利用することで得られる有効性の一つの例示として文の言い換え処理を取り上げ論理的に素直に実現できることを示す.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2009-09-21