瀬戸内海芸予諸島周辺海域の海砂採取が流況に与えた影響
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概要
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瀬戸内海芸予諸島周辺海域では,これまでに大量の海砂が採取されたため,海底地形が大きく変化した.この海底地形変化が芸予諸島周辺海域の流況に及ぼした影響を明らかにするため,数値モデル実験を行った.その結果,潮流は,海域断面積が増加したことにより遅くなり,海底が比較的平坦になったためほぼ海岸地形に沿う流れへと変化したことが明らかとなった.また,海砂採取海域周辺の海峡部における潮汐残差流の流量に変化が見られることから,海底地形変化による流況への影響が,海砂採取海域周辺だけに止まらず,広範囲に及んでいることが示唆された.さらに,モデル計算結果に限界掃流力理論を適用し,海底面上の掃流力の変化を調べた結果,海砂採取海域周辺では,浸食傾向が弱まっていることも示唆された.
- 日本海洋学会の論文
- 2002-08-21
著者
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高橋 暁
産業技術総合研究所中国センター
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湯浅 一郎
産業技術総合研究所中国センター
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村上 和男
武蔵工業大学工学部都市基盤工学科
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村上 和男
産業技術総合研究所海洋資源環境研究部門
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村上 和男
産業技術総合研究所 中国センター
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