対馬海峡蓋井島で観測された内部潮汐の特徴

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概要

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対馬海峡東水道の蓋井島にサーミスタチェンを係留し,1996年の春から秋にかけて水温の鉛直分布を測定した.観測の結果,初夏には間欠的に内部潮汐が発生し,その発生には成層の強さが関連していることがわかった.また,この時期の海洋構造は二層モデルによって近似でき,内部潮汐は,水温躍層が上下に振動する形で現れていた.一方,盛夏には成層が発達し,ほとんど連日のように内部潮汐が観測された.初夏に比べて半日周期変動が卓越するとともに,高次モードの内部波の存在も示唆された.内部潮汐の振幅は,初夏も盛夏もほぼ同じで,小潮時には約4m,大潮時には9m以上であった.山口県沿岸での表層水温記録や定線観測の結果から,対馬海峡一帯は,夏から秋に東シナ海から流入する高温・低塩分水のために成層が発達し,内部モードの変動が発生しやすい状況にあると推測された.蓋井島で観測された内部潮汐は,それらの一端を捉えたものと考えられる.
日本海洋学会の論文
1999-08-10

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