東京湾の流動(シンポジウム:内湾と外洋の相互作用)
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概要
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東京湾で最も卓越した流れは潮汐流であるが,物質輸送の観点からは残差流が最も重要であろう.本稿は,1970年代後半実施された大規模な東京湾観測(TOBEXと略す)により得られた結果を振り返るとともに,最近の研究成果も踏まえ,東京湾の残差流の特徴と原因を主に議論する.確認された結果を要約すると,(1)潮汐に起因する残差流は湾口付近では主要な流れである.(2)冬季には北よりの卓越風により湾内時計まわりの循環が形成され,(3)主に千葉側で湾外流出,神奈川側下層で流入している.これは湾の水深分布の特徴を反映している.(4)また,千葉側で湧昇,神奈川側で沈降の鉛直循環が形成される.(5)夏季の吹送流,潮汐流とも,冬季にくらべ鉛直シアーが顕著である.
- 日本海洋学会の論文
- 1996-08-30
著者
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