討論:河川行政の失敗を繰り返さないために(シンポジウム:海域エコテクノロジーの現状と将来課題)
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概要
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わが国では,特に第二次世界大戦頃から水源林の伐採や林道建設が盛んになり,土砂の流入量の増大などの影響で河川環境が悪化するとともに,土石流や洪水が頻発した.その対策として治水・砂防事業が実施された結果,河川環境はさらに悪化し,しかもその状態のまま永久に固定されることになった.また,その影響は河口を通じて内湾・沿岸の海洋環境にも波及した.関係行政当局が総合的・長期的視点を欠き,実態把握や情報公開を怠って独善に陥ったことが,水域環境の悪化を必要以上に拡大したと言えよう.近年になって,林野庁や建設省は方針転換を表明し,ヒトと自然の共存という新しい課題と取り組みはじめた.それにともない,河川では多種多様な環境改善事業が実施されつつあるが,実効性に疑問の残るものが少なくなく,また永続性については更に強い疑念が感じられる.エコテクノロジーの事業化にあたっては,総合的・長期的視点から全体計画を作成するとともに,第三者機関による実態調査と影響評価を受け入れ,全ての情報を国民に公開することが不可欠である。
- 日本海洋学会の論文
- 1996-02-29
著者
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