三河湾における流れの変動と物質輸送(シンポジウム:沿岸海域の変動の時間スケールと物質輸送)
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概要
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1ヶ月程度の流れと塩分の連続記録から,それらの変動特性を見るとともに,変動成分ごとに塩分の分散を直接求めることができる.また,この分散と湾内の塩分の保存から間接的に求められるトータル分散を比較して,シアー分散を推定することができる.河川流入量が少ない三河湾の場合でも,成層期にはシアー分散が最も大きく,次いで数日周期の気象擾乱による分散,潮汐による分散,乱流分散の順となる.これらから求められる広義の乱流水平拡散係数(10^5cm^2/secのオーダー)をボックスモデルに適用すると,湾内の水理とチッソやリンの収支と循環を計算することができる.三河湾東部の渥美湾の場合,チッソは流入負荷2800tonN/yearの36%に相当する1000tonN/yearが堆積,残りの1800tonN/yearが流出,リンは流入負荷300tonP/yearの83%に及ぶ250tonP/yearが堆積,50tonP/yearが流出と計算された.
- 日本海洋学会の論文
- 1993-02-28
著者
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