海岸性状と水質浄化能(シンポジウム:東京湾の環境回復への提言)
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概要
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東京湾臨海部はわが国の政治,経済,文化,などの一大中心地を形成しており,人口の最も集中しているところである.したがって,海岸線を夾む周辺の陸域海域は極めて利用価値の高い空間となっている.しかしながら,近年,湾内の水質,底質は著しく悪化し,海水の富栄養化が進行して赤潮,青潮が頻発し,時として大きな被害をもたらすこととなった.このため本文では,東京湾の地理的条件,海水の流れ,海水交換,水質,底質,生物などの概略について既往調査結果をもとにとりまとめた.夏場には上層CODが上昇し,下層のDOは低下して底泥からの溶出が著しくなる.夏場の水質悪化を軽減する手段として,流入負荷の削減,底泥からの溶出制御,海水循環の促進,人工曝気などがある.浄化効果を発揮するためには大規模に実施する必要がある.一方,海浜や構造物の周りに生息する生物には懸濁態有機物を摂食して濾過をする作用がある.底生生物が棲み易くなる環境造りをして,この作用を利用した海水の浄化を促進することは有利な方法である.
- 1991-02-28
著者
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