ペルー沖湧昇及びEl Ninoと生物生産(シンポジウム:湧昇流と沿海増殖)
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概要
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ペルー沖湧昇及びEl Ninoとアンチョベータ生産についての総述を行った.ペルー沖湧昇はその生態系が単純な点でユニークなものであり,その第一次〜第三次生物生産量はベングラ海流域と共に世界で最高を示す水域である.アンチョベータ漁場は大きくみると湧昇域と一致するが,時期的にずれがあり,動物プランクトンの多い海域とのずれもある.この理由の説明が試みられた.El Ninoは湧昇を弱め,アンチョベータ漁場分布や漁獲に影響する.1972年の激しいEl Ninoの後,アンチョベータの漁獲は急減し,いまだに回復していない.しかし産卵量,年級加入量はEl Ninoの発生直前にすでに減少しており,またカニの一種,マイワシの増加などがおりEl Ninoには水温上昇に先立つ先駆現象があるのではないかと考えられる.これらについてはFAO-IOCの援助で強力な研究が行われつつある.
- 日本海洋学会の論文
- 1978-02-28