住宅における化学物質放散量の簡易評価法

概要

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室内空気中の化学物質濃度は、一般的に化学物質の放散量と換気量の関係で決まる。化学物質の放散量の算出は、個々の建材や家具からの放散量を加えることにより通常行われる。個々の建材や家具からの放散量は、JISに基づいたチャンバー試験により評価することが望ましい。しかしチャンバー設備は高価であり、用意できない場合も少なくない。そこで、一般住宅でも測定可能な簡易評価法を提案する。すなわち、一般住宅に備えられている換気ファンを利用して室内の換気量を変化させ、その時の平衡濃度を測定する。この結果をHBF式により解析し化学物質放散パラメータを算出する。このときの化学物質の放散量は、個々の建材や家具からの放散量の総和とみなすことができる。居住者にとっては放散量の総和がわかれば十分であり、換気量を変えることにより室内化学物質濃度を予測が可能となる。この簡易評価法で求めた化学物質放散パラメータ値の信頼性については測定例を増やすなどして今後更に検討する必要があるが、今回例示した放散パラメータ値はこれまでの報告値に概ね近かった。
社団法人空気調和・衛生工学会の論文
2007-11-05