大規模・複雑形状に対応する対流・放射連成シミュレーション用放射伝熱解析法の開発 : 第3報-サーマルマネキンによる実験値と計算値との比較

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本研究は、大規模で複雑な形状を有する解析対象を高精度で対流・放射連成シミュレーションを行う際に必要となる放射伝熱解析法を確立することを目的とする。そのため実人体形状を有する人体モデル周囲の温熱環境の解析にこれを適用し、その実用性と妥当性を示す。第1報では、複雑形状の放射伝熱解析を行う上で重要な放射交換係数(全交換面積)の算出法、グルーピングによる格納数の削減法、ならびに実際の人体形状を極力模擬した立位裸体人体モデルの作成に関して報告した。第2報では、立位裸体状態の精密人体モデルの投影面積率と有効放射面積率を算出して既往の研究と比較し、この人体モデルを静穏室の中心に置いた場合の温熱環境を放射解析と低レイノルズ数型k-ε乱流モデルを用いた流体解析を連成させることによって詳細に調べるとともに、グルーピングを施した場合の対流・放射連成シミュレーションへの影響を評価・検討した。本論文では、同じく立位裸体状態で解析と類似の条件で行われたサーマルマネキンを用いた実験結果と比較することにより定量的な評価を行った結果を示す。解析と実験結果は条件が必ずしも完全に一致するものではないが、全般的な表面温度および対流、放射熱流束分布は良く対応した。ただし、上腕部、胸、背中、腹部では他の部位に比べて多少差異が大きかった。これらの差異は、固体表面で与えた放射率の差異、ならびに実験と解析における人体表面での分割数の違いなどの原因によるものと考えられる。
社団法人空気調和・衛生工学会の論文
2004-10-25

大規模・複雑形状に対応する対流・放射連成シミュレーション用放射伝熱解析法の開発 : 第3報-サーマルマネキンによる実験値と計算値との比較

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