強制対流・放射併用冷房の室内環境に関する実験 : 第1報-強制対流式,冷却パネル単独式,併用式の比較実験

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本研究は冷風吹出しに対し,冷却パネルによる冷房を併用した冷房個室の温熱空気環境を詳細に検討し,その特性を明らかにすることを目的とする.検討対象とする冷房個室は,特にコールドドラフトの防止などに配慮し,個別制御性の良い空調を行うことが目標とされている.このような冷房方式の適用対象の一つとして,例えば病院の病室などが想定される.病室では患者が長時間ベッドに滞在し自由に居場所を変更しにくいことから,冷風吹出しによるコールドドラフトの防止に対して特に配慮が求められる.本研究では,その候補として冷風吹出しと冷却パネルを併用した冷房方式(以降,強制対流・放射併用冷房方式と呼ぶ)を検討するものである.ただし,潜熱に関しては検討対象としていない.本報はその第1報として入院病棟個室を想定した小空間居室における天井冷却パネルのみによる冷却パネル単独冷房と,冷却吹出し空気による強制対流冷房,強制対流・放射併用冷房の三つの空調方式の室内環境について詳細な比較・検討を行う.これらの三つの空調方式の中で,天井冷却パネル単独冷房の場合,天井の冷却パネルのみでは,外壁と窓からの比較的強い貫流熱負荷への対応が不十分であり室内を効果的に冷房するには不利になる.また,ここで採用した強制対流冷房では在室者周辺でわずかなコールドドラフトが発生する.在室者へのコールドドラフトの発生防止の側面から,強制対流・放射併用冷房は有利となる結果を得た.なお,第2報では第1報と同一空間において天井の冷却パネル表面温度および形状が室内の流れ場・温度場に与える影響に関して,また第3報では室内に家具などの障害物を設置した場合と冷風吹出し口の位置を天井に変更して設置した場合の室内の流れ場・温度場を実大模型実験により比較・検討する.これらの一連の研究では室内快適性評価の尺度が重要であるので,本研究で用いた尺度の解析と考察を本報(第1報)のAppendixにのせている.
社団法人空気調和・衛生工学会の論文
1995-02-25

強制対流・放射併用冷房の室内環境に関する実験 : 第1報-強制対流式,冷却パネル単独式,併用式の比較実験

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