固定流れ場の熱応答を用いた熱環境シミュレーション : 第2報-動的熱負荷計算との連成計算によるエネルギーシミュレーション手法への展開

概要

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前報では,固定された流れ場における熱応答を事前に定常CFD解析により算出しておくことで,室内の任意点における室温変化を,PCレベルのCPUによっても非常に短い計算時間で解析可能なシミュレーション手法を提案した。そして,空調制御問題へ適用したケーススタディを行い,その利用可能性を示した。本報では,前報で開発したシミュレーション手法を,壁体内の熱の輸送を解く動的熱負荷計算手法と連成させる。従来のエネルギーシミュレーションでは,室内の気流による熱輸送に関しては熱の瞬時的な完全混合を仮定していたため,室内に形成される温度分布を積極的に利用した省エネルギー手法の評価が難しかった。そこで,本手法を従来の完全混合仮定による計算に代替させることで,室温分布を考慮したエネルギーシミュレーションを実現した。本報では,高天井空間を利用した高温排気を意図した空間を解析対象としたケーススタディを行い,居住域の制御温度とは異なる排気温度等の時系列を精度良く解析することで,高温排気による省エネ効果を評価した。また,この結果を非定常CFD解析のみで求めた計算結果と比較することで,本手法を組み込んだシミュレーション結果の妥当性を確認し,本手法の組み込みにより実現した計算コストの効率化を実証した。
2010-12-05

固定流れ場の熱応答を用いた熱環境シミュレーション : 第2報-動的熱負荷計算との連成計算によるエネルギーシミュレーション手法への展開

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