14128 輪郭の空間 : Aldo van Eyckの建築思想を通して(設計理論系,建築デザイン)
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概要
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建築に社会性を保ちつつ個人に還元することがこの設計の目的です。ここで使う社会性とは「誰もが共有できる建築の普遍的な部分」、人間性とは「個人の心理・知覚によって異なる部分」と定義します。アルド・ファン・アイクの作品にその可能性を見出しました。彼の建築手法である「対現象」は個人の知覚が建築の一端を担っており、対現象によって生まれたあいまいな空間をどう知覚するかは個人に拠るところとなります。これは形態の持つ力によって人間の行為を誘発するといえます。私はこの個人の行為が含まれる余地を残した空間を「輪郭の空間」と呼ぶこととします。ファン・アイクが平面的に用いた対現象を立体的に応用したプロトタイプのスタディを行い、そのケーススタディとして住宅を設計しました。輪郭の空間が連続することでそれぞれの空間に差異が生まれます。建築の形態が個人の知覚・心理にはたらきかけることで行為が生まれ、その行為に合わせて最後に機能が決定します。ここでいう「個人」とは人間一人ひとりのことであり、輪郭の空間では、家族や他者といった枠組みをはずし、自由に振舞うことができるのです。輪郭の空間では個人に還元することが建築に社会性を与えることになるのです。規制を持たず、人間個人に対して誘発する輪郭の空間。それは時代や文化、人種を超えて共有できる建築になると考えています。
- 2010-07-20
著者
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