SH-3向けTLBプリロード手法の提案
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概要
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本発表ではSH-3においてTLBミスを軽減する方法を検討する.TLB(Translation Look-aside Buffer)とは,仮想メモリやメモリ保護の実現を支援するためのハードウェアであり,メモリアクセスの際に,論理アドレスに対応する物理アドレスやアクセス権限を調査した結果をキャッシュする役割を果たす.しかし,容量の制約から,全論理アドレスに対応する物理アドレスやアクセス権限をキャッシュすることはできず,キャッシュミス(TLBミス)が発生することがある.TLBミスが発生した際には,アドレス変換情報やアクセス権限を検索する必要が生じ,実行性能が劣化する.そのため,TLBミスを削減する手法が重要になる.TLBミスを削減する手法の1つにプリロードがある.これは,アクセスされるページを予測し,あらかじめアドレス変換情報やアクセス権限をTLBにロードする手法であり,過去に予測方式がいくつか提案されている.過去に提案されている手法はプリロードするエントリを1つ,または2つに固定しているが,本論文では,より多くのエントリをプリロードすることで性能を改善する方法を示す.プリロードするエントリを増やすと,予測が外れた際の影響が大きくなるが,この問題への対策として,提案技法では,予測が困難な場合にプリロードを行わないことで予測にともなう処理を削減する.組み込み機器向けのベンチマークソフトであるMiBenchの一部など13種類のプログラムを用いて評価した結果,提案手法を用いることでプリロードを行わないものに比べ,TLBミスの回数を平均で約60%削減でき,実行時間を約7%高速化できた.
- 2008-09-26
著者
-
土居 範久
中央大学大学院理工学研究科情報工学専攻
-
土居 範久
中央大学理工学部情報工学科
-
千葉 雄司
中央大学研究開発機構:株式会社日立製作所システム開発研究所
-
千葉 雄司
中央大学大学院理工学研究科
-
土居 範久
中央大学大学院 理工学研究科
-
土居 範久
中央大 理工
-
山崎 智広
中央大学大学院理工学研究科情報工学専攻
-
土井 範久
中央大学大学院 理工学研究科
-
土居 範久
慶応大
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