風景の見せ方に関する考察 その1 : ノルウェー・フィヨルド海岸沿いの地域再生建築・アートプロジェクト群を通じて
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概要
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ノルウェー西部のフィヨルド海岸洽いでは、風景の新しい価値を増し、地域再生へのきっかけを目的としたランドアートと小規模建築プロジェクト群が継続的につくられている。地域再生のきっかけとして、既存の風景に焦点を当て再評価しようという試みは、近年日本各地でも実践されている。主には小規模建築物や仮設構築物を設置し、見る人に新しい視点を与え、これまで特筆されることがなかった風景に気づき、評価しようというものである。本論文の目的は、ノルウェー・フィヨルド海岸沿いの地域再生プロジェクト群を分析し類型化することで、風景を再評価するための造形手法を見い出すものである。現地調査・分析の結果、風景に視線を向ける手法として、i)アプローチ空間としての手法、ii)風景との一体化をはかる手法、iii)焦点を絞りフォーカスする手法、iv)風景に眺め入る手法という四つの類型を示した。これらの手法は、風景の再評価を通して地域再生のきっかけとして、造形物が貢献できる可能性を示唆するものである。今後は、来訪者の視覚や心理的な側面からも考察し、ランドアートと小規模建築としての可能性について多面的な価値を明らかにしなければならない。小論では「見せ方」という、既存の風景の再評価につながる位置づけを意識的に行った。
- 2008-05-01
著者
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