フッ化ジアミンシリケートの象牙質知覚過敏症治療剤への応用 : 溶液濃度が象牙細管封鎖能に及ぼす影響の検討
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概要
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フッ化ジアンミン銀(サホライド^[○!R])の歯質着色の問題点を改良する目的で,フッ化ジアミンシリケート溶液((NH_4)_2SiF_6)を調製した.これまでの研究では,ほかのフッ素化合物と比較検討するために酸性リン酸フッ素溶液と同濃度に調製した9,000ppm濃度の溶液を用いて研究を遂行してきた.そのため,9,000ppm濃度以外の溶液を使用した場合の象牙細管封鎖能は不明である.本研究の目的は,各種濃度のフッ化ジアミンシリケート溶液処理後の象牙細管封鎖能を評価することにより,臨床で使用する際の最適な濃度を探索することである.各種濃度(100〜19,400ppmまで)のフッ化ジアミンシリケート溶液を調製して,ヒト抜去歯から作製した象牙質プレートに塗布し,SEM観察することによって象牙細管封鎖効果の評価を行った.また各種濃度のフッ化ジアミンシリケート溶液処理後に象牙細管内に析出した結晶の組成は,エネルギー分散型X線マイクロアナライザー(EDXA)にて分析を行った.SEM観察の結果,フッ化ジアミンシリケート溶液濃度にかかわらず,開口象牙細管は結晶性物質により緊密に封鎖されていた.EDXAにより象牙細管内に析出した結晶の組成を分析した結果,フッ化ジアミンシリケート溶液濃度に比例して,カルシウムとリンのモル比が1.5(100ppm溶液処理後)から2.1(19,400ppm溶液処理後)に上昇していた.フッ化ジアミンシリケート溶液は100〜19,400ppm濃度までいずれの濃度の場合においても象牙細管を緊密に封鎖したが,象牙細管内に析出した結晶の組成は変化しており,高濃度の場合には結晶中に占めるフッ化カルシウムの量が上昇していることが推察された.
- 2009-12-31
著者
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菅 俊行
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部歯科保存学分野
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松尾 敬志
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部歯科保存学分野
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松尾 敬志
徳島大学歯学部歯科保存学第一講座
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柴田 眞吾
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部発達予防医歯学部門健康長寿歯科学講座歯科保存学分野
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松尾 敬志
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部発達予防医歯学部門 健康長寿歯科学講座 歯科保存学分野
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松尾 敬志
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部発達予防医歯学部門健康長寿歯科学講座歯科保存学分野
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松尾 敬志
徳島大学 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部発達予防医歯学部門
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菅 俊行
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部発達予防医歯学部門健康長寿歯科学講座歯科保存学分野
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松尾 敬志
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 発達予防医歯学部門健康長寿歯科学講座歯科保存学分野
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菅 俊行
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 発達予防医歯学部門健康長寿歯科学講座歯科保存学分野
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松尾 敬志
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 発達予防医歯学部門 健康長寿歯科学講座 歯科保存学分野
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