ゼロエミッション活動と資源生産性 : 事例に基づく効果と課題の検討
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概要
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本研究は,Boulding(1966)によって示された閉鎖型資源循環を具現するものとして,ゼロエミッション活動について検討するものである.この概念は産業界全体における廃棄物ゼロを志向するものだが,後に国内では各社が自主指標を策定し,事業所レベルでのゼロエミッション活動(通称,ごみゼロ活動)として展開されるようになった.本研究では,製造業を中心とした24事業所(製造業の生産拠点19,製造業の研究開発機関1,製造業および金融業のオフィス2,流通業1,建設業1)におけるごみゼロ活動について,筆者のインタビュー結果をもとにその効果と課題を整理・検討している.その際の枠組みは,Porterらが示した資源生産性の実践パターンである.なかでも本研究は,1)3Rおよび生産効率,2)廃棄物の高度利用,3)処理コストの削減,という3点に注目した.まず1)については,1割以上の廃棄物の発生抑制が6割強の事業所で行われているほか,サーマルリサイクルよりも上位に位置づけられているマテリアルリサイクルのほうが多く,マテリアルリサイクルの割合がリサイクル量全体の8割以上を占めるとする事業所が8割強となっている.背景には,マテリアルリサイクルを通じて再生原燃料や再生商品を創出する,2)の廃棄物の高度利用,3)の処理コストの削減があった.ごみゼロ活動の課題としては,ヒューマンファクターによるものが多くの事業所で生じており,同時にリサイクル事業者への委託といった外部要因でも確認された.
- 2010-10-29
著者
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