韓国における樹木病院と資格認定制度

概要

論文の詳細を見る
韓国では、2003年6月から樹木病院には法律で裏付けられた資格が必要となる。今後のわが国の樹木医と資格認定制度の参考にするために、韓国の樹木病院関連資格認定制度について取りまとめた。韓国における最初の樹木病院は、1976年に設立されたが、現在では、国公立12、民間企業19、造園会社11の、合わせて42の樹木病院関連の団体がある。これらの樹木病院の営業は、2003年5月31日までは何の法的規制も受けなかったが、2003年6月1日以降は、韓国政府(山林庁)の法的な規制によって、樹木(〓〓)病院の看板を掲げるすべての業者は、少なくとも一人の樹木保護技術者(樹木医)を置かねばならない。この新しい制度によって、今後、韓国における樹木病院の業務内容が、相当に改善されるものと期待される。山林庁以外では、文化財庁が、巨樹老木や天然記念物などの保護樹の取扱いにあたる民間業者に植物保護技術者資格を課している。資格をもつ樹木医を社会に送り出す前提として、樹木の保全・管理に関わりをもつ造園業界の人々を教育・訓練することが緊急の課題である。
2003-03-31