宮崎県においてスギ造林木の干害をもたらした気象要因
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概要
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宮崎県内では、過去10年間に中・壮齢木が枯損する被害が6回発生した。原因を検討したところ、夏の少雨、あるいは秋から冬にかけての少雨による被害であった。少雨の基準として、日降水量を検討したところ、15mm以下の雨しか降らない日が、夏期に25日以上連続した場合に被害が発生し、秋から冬にかけては60日程度であった。少雨が長期にわたっても、被害が発生しない場所があることから、土壌の条件が枯損に関与していると考えられた。近年の被害増加の原因として、気温の上昇と、雨の降り方のパターンが変化したことが考えられ、造林地の林齢の上昇も関与している可能性が考えられた。また、宮崎県で被害が多い原因として、南海型気候の特性であるいちどきに大量に降る雨と、夏季と秋から冬にかけてしばしば発生する好天の連続が考えられた。
- 樹木医学会の論文
- 1998-09-30
著者
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