モジュラー型製品におけるサブシステムの差別化戦略 : 韓中トラックメーカーの事例研究
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概要
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本稿はモジュラー型製品を差別化するため、製品の中核・一般・顧客仕様サブシステムの内部構造と製品戦略を企業の資源と環境に合わせ、どのように組み合わせれば良いのかという問題意識を設定した。この問いに答えるため、韓国の現代自動車・タタ大宇および中国の一汽解放・中国重汽・春蘭汽車を取り上げ、事例研究を行った。その結果、モジュラー型製品を差別化するためには、企業の資源と環境に合わせ、中核・一般・顧客仕様サブシステムの内部構造およびプロダクトアウト戦略・マーケットイン戦略・カスタマーイン戦略を組み合わせる必要があることが明らかとなった。本稿の先行研究への貢献は、次の2点である。第1に、本稿ではモジュラー型製品の差別化の対象をサブシステムまで広げ、中核・一般・顧客仕様サブシステムをどのように差別化すれば良いのかを示した。先行研究では、主にユニットを対象にモジュラー型製品の差別化に関する議論が進められてきた。そのため、製品システムの上位階層にあるサブシステムの差別化をどのように進めれば良いのかがあまり明らかにされてこなかった。そこで、本稿ではモジュラー型製品の差別化の対象をサブシステムまで拡大し、企業の資源と環境に合わせ、サブシステムをどのように差別化すれば良いのかについて論じた。第2に、企業の資源と環境に合わせ、中核・一般・顧客仕様サブシステムの内部構造と製品戦略を組み合わせることで、これまで見えてこなかった製品差別化の形態があることを明確にした。先行研究では、モジュラー型製品を差別化するためには、中核ユニットをクローズド型にし、ブラックボックス化する必要があるとされてきた。そのため、中核サブシステム以外のサブシステムについては、内部構造と製品戦略をどのように決定すれば良いのかについて、必ずしも充分な検討が行われてきたとは言えなかった。そこで、本稿では企業の資源と環境に合わせ、サブシステム別にオープン型とクローズド型およびプロダクトアウト・マーケットイン・カスタマーイン戦略を組み合わせると、新しい形態の製品差別化ができることを示した。
- 2010-04-30
著者
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