日本産ツツミノガ科の記載II
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概要
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下記のツツミノガ科4種を新種として記載した.Coleophora enkomiella BALDIZZONE et OKUヨモギホソツツミノガ(新称)幼虫は秋にヨモギ,エゾヨモギの葉に潜り,筒状巣は細長く淡灰褐色,暗色の縦条を有する.基部の被毛を欠く点でヨモギに寄生する近似種から区別できる.成虫は盛夏期に出現し,前翅はやや暗い黄土褐色(雌では雄より淡色),斑紋を欠く.北海道,本州で採集.Coleophora ejodella BALDIZZONE et OKUヤチツツミノガ(新称)幼虫未発見であるが,成虫が6〜9月に湿地で多く見られるので,イグサ類に寄生している可能性がある.前翅は褐黄土色,鮮明な白条を有し,濃褐,または暗赤褐色の鱗片を散らす.下唇鬚中節先端の毛束は長く突出して末端節の半分を越える.北海道,本州で採集.Coleophora kudrosella BALDIZZONE et OKUゴマフツツミノガ(新称)幼虫未発見.成虫は盛夏期に灯火に飛来.前翅は灰色をおびた黄土褐色,灰白色の縦条を有し,翅前縁を除き暗灰褐色の鱗片を散らす.この鱗片は中室外端にやや目立つ点紋を形成する.岩手県で採集.Coleophora molothrella BALDIZZONE et OKUノギククロツツミノガ(新称)幼虫は初夏にゴマナ,ノコンギク,ユウガギクの葉に潜り,筒状巣は長く淡黄土褐色,腹面は黒色,背面後半に黒褐斑がある.成虫は成夏期に出現,全体ほぼ暗灰色,触角の先端約1/3のみ白色.下唇鬚中節先端の手束はかなり長く,末端節の半分に達する.岩手県で採集.
- 日本鱗翅学会の論文
- 1988-09-20