日本産ツツミノガ科の記載I
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概要
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下記のツツミノガ科の4新種を記載した.Coleophora honshuella BALDIZZONE et OKU ヨモギオオツツミノガ(新称)幼虫は長大な灰褐色の鞘状巣を有し,春にヨモギの葉に潜る.成虫は7〜8月に出現,触角基部の毛束が発達,白黄土色の前翅に鉛白色の3条紋と黄褐色の1条紋がある.岩手県(盛岡)以外では未発見.C.issikii BALDIZZONE et OKUウスシロミャクツツミノガ従来,C.pratella ZELLERとされていたが別種.青森県から和歌山県までの山地で,8〜9月に灯火に飛来.普通種だが寄主植物は未知.C.levantis BALDIZZONE et OKUナラツツミノガ(新称)幼虫はミズナラ,コナラに発生.当初は曲がった鞘状巣を有するが,越冬後に多毛の筒状巣を形成,葉上面をなめるように食し,潜葉習性なし.成虫は7月に出現.触角は基部数節のみ黄褐色,それより先は白く暗色輪紋がある.前翅は灰色をおびた黄土褐色.岩手,長野,滋賀各県で発見.C.eteropennella BALDIZZONE et OKU フタイロツツミノガ(新称)幼虫の筒状巣は寄主植物によって形状が異なり,春にハルニレ,シラカバの葉に潜る.成虫は6〜7月に羽化,前翅は暗褐灰色から淡灰黄土色まで変異がある.暗色の個体はシラカバツツミノガに近似し,外観では識別困難.北海道及び岩手県で発見.
- 日本鱗翅学会の論文
- 1988-07-10