DESCRIPTIONS OF THREE NEW SPECIES OF THE ARCHIPSINI FROM JAPAN
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概要
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この報文では下記の3属3新種を記載した. Clepsis monticolana KAWABE タカネハイイロハマキ(新称) 本種は立山の弥陀ケ原,五色ケ原や針木岳から得た多数の標本にもとづき記載した.しかし乗鞍岳,常念岳からの個体は前記地域の個体より,一般に小型で,色彩はより暗色をおび,特に雌の前翅の地色に多少赤色を加味する.しかしながら,それら以外の外部形態及び前翅斑紋様式,雌雄交尾器の形態では,特に両者を区別する特徴を発見出来なかったので,ここでは同種として扱った.又本種は大雪山から報告されたClepsis insignata OKU ダイセツチビハマキ(新称)と外部表徴及び雌交尾器の形態において明らかな差異を現わすが,雄交尾器の形態はきわめて似ている.又常念岳,南アルプス等のハイマツ帯に分布し,本種に近似し,明らかに新種と考えられる個体を発見しているが,前記同様雄交尾器の形態において顕著な差異がみられない(個体数不足のため記載をさけた).なお,本種はハイマツ帯に限って分布し,日中,ハイマツをたたくと普通にみられるものであるが,弥陀ケ原(1900m)にはハイマツの群落がなく,五葉松の群落であることも今後の本種の分類学的研究を進める上で留意しなければならないと考える.しかし本種の食草がハイマツであるかどうかはまだ確認していない. Clepsis insignataの確認に際し御助力下された奥俊夫氏にここでお礼を申しあげる. Hastula hoshinoi KAWABEホシノハマキ(新称) 本種は交尾器の形態からHastula属の種として扱ったが,外部形態はヨーロッパのEpagoge grotiana (FABR.)や本邦でEpagoge grotianaトビハマキと呼ばれている種ときわめて似ている.本邦のトビハマキはE. grotianaとは明らかに別種で,おそらく新種と考えられる. Philedone violetana KAWABEクシヒゲムラサキハマキ(新称) 本属の種は旧北区から1種のみが知られており,雄の触角が櫛歯状(本種はむしろ鋸歯状)を呈し,前翅の翅脈7と8が有柄で,雄の交尾器のtranstillaが小針を密生するのが特徴である.上記の形態を示し,全体が黒紫色をおびる本種はこれまでに本邦から記録されたどの種とも容易に区別出来る.
- 1964-08-30
著者
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