病院の外に立つ(<特集>スピリチュアリティ)
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概要
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病院の内と外、および外の外という身体配置をモデル化して提示し、今日の医療と宗教・スピリチュアリティをめぐる研究に新たな基礎づけを試みる。緊急の課題として、研究者によって提示される臨床の理想像が、実際には医師・療術師・患者といった当事者に届きにくい状況があると筆者は見ている。当事者は、「患者に聞き入る」「生命の質」「語りに基づく医療」といった理想を理解しているのだが、病院のルーティーンによって配置される個々の身体は、配置に従って自らを制御・所有しようとする。そうした身体配置からそれとなく逸れ出す場面に聞き入り、研究者が逸れ出しの身体運動に敏感でいられるような場を言語化することで、今日の医療と宗教・スピリチュアリティをめぐる研究に新たな基礎づけがもたらされることを期待する。研究者が自らの身体配置を明解に自覚し、また当事者の身体運動に同期する研究の地平を見出したい。
- 2010-09-30
著者
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