1次/2次コントロールにおけるBack/upモデルの検証 : 尺度作成と否定的事態に対するコントロール方略の作動関係
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概要
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1次/2次コントロール理論においては,1次コントロール(PC)が低下しても,2次コントロール(SC)により補償されることで,抑うつを回避することができる「Back/upモデル」が仮定されている。そこで,本研究では1次/2次コントロール尺度を作成し,Back/upモデルの検証を行った。研究1では,798名に対して否定的事態に対する認知的方略に関する自由記述を行った。研究2では,564名に対する調査を行い,探索的因子分析より「解決志向」と「因果分析」及び「意味受容」と「思考調整」4因子が抽出された。また,確証型因子分析より前者の2因子(「解決志向」と「因果分析」)は「PC」,後者の2因子(「意味受容」と「思考調整」)は「SC」という上位概念により構成されることがモデルの適合度より明らかになった。研究3では,645名に対する調査を行い,抑うつ傾向を従属変数とした分散分析を行った結果,「PC(高・低群)」と「SC(高・低群)」,「解決志向(高・低群)」と「意味受容(高・低群)」に有意な交互作用が見られた。「解決志向(高・低群)」と「思考調整(高・低群)」,「因果分析(高・低群)」と「思考調整(高・低群)」及び「意味受容(高・低群)」には有意な交互作用が見られなかった。これにより,大枠では2次コントロールは1次コントロールの低下を補償するBack/upモデルが支持された。
- 2010-06-30
著者
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