マクロスケールからみる温暖化の植物フェノロジーへの影響 : 気象庁・生物季節データセットによる解析(<特集>生物の空間分布・動態と生態的特性との関係:マクロ生態学からの視点)
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概要
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地球温暖化による気温上昇の影響は、広く生態系に拡がりつつあり、フェノロジー(生物季節)のタイミングにもその影響が波及しつつある。近年、今まで蓄積されてきた長期データを使用した研究により、地球温暖化が植物・動物のフェノロジーのタイミングに、大きな影響を与えていることが明らかとなってきた。しかし今までの研究では、ある場所でのフェノロジーの温暖化への反応を検討している場合が多く、そのマクロ的な傾向について検討した研究例は未だに少ない。気象庁では、1953年から現在まで全国102ヵ所の観測所で、のべ120種以上の植物・動物種についてその開花・発芽・落葉・初見日・初鳴日などのフェノロジーを記録している。全国102ヵ所という広範囲で長期に観測されたフェノロジーデータを用いれば、フェノロジーの温暖化への反応をマクロエコロジーの視点から考えることが可能である。そこで本稿では、気象庁・生物季節データセットを用いたマクロスケールおけるフェノロジーと気候変動の関係についての研究、特にフェノロジーの温度反応性の緯度クラインと、温度反応性への遺伝的多様性の影響について紹介する。まとめとして、今後のマクロスケールでのフェノロジー研究の意義と方向性について述べる。
- 2010-07-31
著者
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土居 秀幸
Institute for Chemistry and Biology of the Marine Environment, Carl-von-Ossietzky University Oldenbu
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高橋 まゆみ
北海道大学大学院農学院森林生態系管理学
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土居 秀幸
Institute For Chemistry And Biology Of The Marine Environment Carl-von-ossietzky University Oldenbur
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