孫文とRed Cross : -『紅十字会救傷第一法』,訳出と再版の意味するもの-(下)
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概要
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前稿(上)では孫文のRed Crossとの出会いと彼の博愛思想の特質を分析した。これに続く本稿(下)では,第一に清末中国におけるRed Cross波及事情を上海『申報』等に探った。第二に20世紀初頭,孫文訳本『救傷第一法』が日本の東京で再版されたことに着目し,その意味するところを考察した。清末の博愛思想は,革命思想を共振させた。女性革命家秋瑾は日本留学を機に博愛を唱え,また孫文も博愛思想を革命戦略の一端に位置づけた。彼ら革命派が博愛を革命の起動力とし市民戦争(Civil War)を志向した局面を析出しつつ,孫文の博愛観,Red Cross精神のゆくえについて,問題提起をおこなった。
- 2010-08-25
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