孫文とRed Cross : -『紅十字会救傷第一法』,訳出と再版の意味するもの-(上)
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概要
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約100年前,中国の革命家孫文は『紅十字会救傷第一法』を翻訳した。本稿(上)は,その訳出の経緯,とくに訳本に「紅十字(Red Cross)」の文字が挿入された背景と意味を解き明かし,また残された課題について問題提起をする。孫文のRed Crossとの出会いは1890年代の香港にあったが,英国人医師J・カントリーの下でRed Crossに触れた経緯を探り,『救傷第一法』の原著者であるS・オズボーンと孫文との英国における交接点,孫文が中国語訳出を引き受けた事情を考察した。当時の孫文のRed Crossを廻る心象風景を在ロンドン日本人南方熊楠の視点から分析し,その博愛(Red Cross)思想の特質を明らかにした。
- 2010-07-25
著者
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