レーザ流速計によるはく離域の速度測定

概要

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レーザドップラ流速計は非接触で微小部分の流体速度計測が可能なことと,低流速から高流速まで計測範囲の広いことで注目を集めている。われわれは,このレーザドップラ流速計を用いて粗面における低流速でのはく離域の流速測定を行った。従来の流速計(ピトー管,ホット・ワイヤ法等)では流れ方向の正負の判別は困難であった。われわれはレーザドップラ流速計の光学系に安価な方法で正負の判別ができるように工夫した。測定対象の粗面はボイラ等でよく見られる平面壁にパイプを平行にはりつけた波形面である。この粗面を有するダクトに純水(ポリスチレン微粒子を含む)を流し,流れはパイプに直角方向とし,壁面パイプ間の境界層流れを計測した。流速の測定結果から,平均速度と速度変動成分を求めた。これらの計測にわれわれの考えた正負判別レーザ流速計を用い,充分の精度をもって流れの方向とそれに直角の各方向の逆流を含む流速測定ができた。その結果,波形面のパイプ(4.5φ)間のようにせまい部分から主流にいたるまでの平均速度分布や,流速変動の最大値とその位置等を明らかにした。
独立行政法人海上技術安全研究所の論文
1975-05-31