地域水産業振興を考える : 地域水産物と消費者との接点に注目して(<特集>食と地域振興)
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概要
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本稿では,地域水産業の振興に関する活動や課題を整理し,今後の取り組みのあり方について若干の検討,展望を加える.水産業の活動やその地域を維持,向上させるには,漁獲物・水産製品が多くの業者,消費者から高い評価を受けることや,継続的かつ意識的に消費される状況が不可欠である.そこで,売れる商品づくりや,"将来にわたって(地域)水産物を選択し,水産業への理解や支援に積極的な消費者を,いかに増やし,確保し続けるか"という点に注目する.そこで本研究では,水産物の価値創出,購入機会の創造の側面と,水産業・水産物に関心・理解を持つ消費者の育成の側面から,先行研究の整理や活動事例の観察,報告を行った.販売促進にあたっては,生産から消費までの活動の検討,工夫が必要であり,かつ需要や資源等の条件に応じてマーケティング戦略の熟慮,見直しが求められる.また,品質管理の徹底は不可欠であり,その際,関係者間の連携や統一的行動,合意形成が重要となる.そして,将来の消費者を育てる長期的視野も考慮した取り組みが重要である.例えば,消費者と地域水産業・水産物との接点づくり,情報提示への工夫が挙げられる.あわせて,日ごろ多くの国民にとって活動状況を目にしにくく,意識されにくい漁業者・地域水産業の役割について,関係者は理解を促す機会を充実させ,社会的貢献への配慮や他産業との活動連携や教育活動への協力にも配慮すべきである.
- 2007-03-30
著者
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