ディケンズと教育 : -『ハード・タイムズ』と『我らが共通の友』を中心に-
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概要
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チャールズ・ディケンズが強い関心を寄せ、多くの作品で取り上げたテーマは教育である。彼は数々の学校や教師を描くことで、当時の教育方法に対して辛辣な批判を浴びせた。その中でも『ハード・タイムズ』と『我らが共通の友』における描写、例えば、想像力を軽視した事実一点張りの詰め込み教育や、師範学校での機械的な訓練により人間性が欠如した教師像は特に印象的である。本論では、両作品に出てくる学校や教師の場面から、ヴィクトリア朝期に行われていた教育方法とディケンズの教育観を分析するとともに、著作活動以外にディケンズが取り組んだ慈善活動との関連を考察した。