原価企画と品質展開の理論
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概要
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新製品の価格は,価格差があまり大きくない類似製品と比較して,その「価格対応品質」,すなわちいわゆるprice performanceを同レベル以上に設定する必要がある.先ず,この理論を述べる.この理論には品質展開quality deploymentという考え方が必要である.新製品の総製造原価は,上記の方法で設定された販売価格のαパーセント(例えば,約70パーセント)を目標に定める.成熟市場に投入する新製品計画は市価基準に基づく上記のような価格とその製品コンセプションが先決問題であり,製品設計と原価企画はこれに従うことが要請される.次に,上記の総製造原価に対する原価企画は,VA(Value Analysis)技法によって既存のパーツ類に対する設計変更などに基づいた原価削減を実施する.このVAは原価企画のコアとなっているが,これは上記の製品価格の決定理論(その技法を本稿ではQDmと呼ぶ)と同様の原理の基づくものである.これと類似の技法にVE(Value Engineering)がある.このVA/VEに関して多くの管理会計学研究者の著作が公刊されたが,そのVE公式はVAの考え方とは全く異なるものであり,再考を要する.
- 日本管理会計学会の論文
- 2001-03-31