イングランドの気候地名研究─英語史研究の視点から
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概要
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気候地名とは日照、風、降水などの気象要素に関連する文字や単語のついた地名をいう。日本の日向、日影、風越、雨坪、ドイツ語圏のSonnendorf、Windhof、Schneeheideなどがこれにあたる。本稿ではMillsの地名辞典 (1998) に収録された地名から、イングランドの気候地名と考えれられる例を抽出した。そして英語史研究の視点から、気候要素に関連する古語がどのように語源に反映されているかを考察した。その結果、日照、寒暖、乾湿、季節、風、雪に関する気候地名の存在を確認し、それぞれが一定の地域性をもって分布することが明らかになった。そして一部には分布と実際の気候データとの間に相関関係が認められた。