学生相談の視点からみた「予防」
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概要
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本論文は、コミュニティ心理学や近年の心理臨床において着目されている「予防」概念とその使用法について学生相談の視点から批判的検討を加えたものである。まずは、心理臨床学と青年心理学の文脈において「予防」概念がいかに位置づけられているかを検討した。次いで、学生相談領域での「予防」実践と研究とを概観し、その内容を、(1)学生生活上の危機や問題についてのガイダンス(講義)、(2)自殺やハラスメント防止のための啓発、(3)抑うつや心理的問題の早期発見と介入、(4)心理教育グループ、に整理した。学生相談担当者による上記の活動を「予防教育」という枠組みに閉じ込めてしまわないことの意義を指摘し、矛盾につながる"否定"を産出する場としての学生相談担当者ならではの授業実践の可能性について展望した。
著者
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