小児滲出性中耳炎治療のための適切な鼓膜チューブ挿入期間の検討
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概要
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【目的】小児滲出性中耳炎に対して鼓膜チューブ留置を行い,留置期間による再発率,鼓膜穿孔率を検討し,適切な留置期間を明らかにする.【方法】1992年1月から2006年12月までの15年間に当科にて滲出性中耳炎と診断され,全身麻酔下にて初回鼓膜チューブ留置を行った12歳以下の小児266症例,472耳を対象とし,留置期間による再発率・鼓膜穿孔率について検討した.【結果】 鼓膜チューブ留置期間は平均17.6カ月であった.チューブの留置期間が19カ月以上の症例は再発が少なく,18カ月以内の留置に対して有意に再発率が低かった.鼓膜チューブの挿入が必要な滲出性中耳炎症例が多いと考えられる6歳以下の症例において,チューブの抜去時の年齢が7歳以上の群は,抜去時の年齢が6歳以下の群に対して有意に再発率が低かった.また,チューブの留置期間が12カ月以内では穿孔をおこす確率は非常に低く,37カ月をこえるものは穿孔率が高かった.【結論】滲出性中耳炎に対する鼓膜チューブ留置の期間は19カ月以上,36カ月以下が推奨される.また,6歳以下で鼓膜チューブ留置を行った場合は,7歳までは留置することが望ましい.
- 2010-07-25
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