気腫性巨大肺嚢胞に対する胸腔鏡下手術での工夫 : Monopolar Ablation Deviceが有用であった1例
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概要
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背景. Tissue Link^<TM>(TL, Tissuelink Medical, Inc., Dover, NH, USA)は肝切除などに使用される生理食塩水を媒介とするモノポーラ凝固装置である.TLにて肺嚢胞へのablationを施行することで,嚢胞の縮小化,壁の肥厚化が得られ,容易に完全鏡視下手術が可能となった気腫性巨大肺嚢胞の1例を経験した. 症例. 37歳男性.無症状.健診発見の両側気腫性巨大肺嚢胞.左は胸腔の1/2を嚢胞が占拠しており手術適応とした. 結果.上葉に多数存在する巨大嚢胞をTLにて縮小化し,良好な視野の下容易に切除ラインを確認し得た.嚢胞を自動縫合器で切除し,断端周囲をTLにてablation後被覆材, fibrin glueにて補強した.術後経過は良好であった. 結論. 気腫性巨大肺嚢胞に対する完全鏡視下手術において,TLでのablationは良好な視野を得られる点,さらに熱変性治療の手段となり得る点で有用であると考えられた.
- 2010-03-25
著者
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上野 克仁
東京大胸部外科
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上野 克仁
JR東京総合病院胸部外科
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室田 欣宏
JR東京総合病院胸部外科
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上野 克仁
東京大学心臓外科
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上野 克仁
東京大学大学院医学系研究科 心臓外科
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上野 克仁
Jr東京総合病院 胸部外科
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室田 欣宏
Jr東京総合病院 胸部外科
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