サロマ湖底層における粒状物質の挙動(シンポジウム:鉛直混合と物質輸送)
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概要
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サロマ湖における湖底からの懸濁態物質の輸送量を測定した.係留による流れの測定とともに,湖底近くの懸濁態炭素(POC),懸濁態窒素(PON),および粒状物の総体積(TV)の鉛直分布について8〜10時間の時系列測定を実施した.湖底近くの物質濃度の時間変動が流れに対応することから,流速データの調和解析を行い,得られた位相を物質の周期変動の式に代入した.測定値を与えて最小二乗法によりこの周期関数の定数を求め,次に物質の1日平均の値を算出した.この1日平均値の鉛直分布から,上向きの物質の輸送量を計算した.同時期に関して,輸送量には湖の地理的な差が認められず,TV,POC,PONの輸送量は湖底上1mでは1.23〜36.08cm^3・m^<-2>・d^<-1>(TV),42.45〜813.9mgC・m^<-2>・d^<-1>,5.38〜98.8mgN・m^<-2>・d^<-1>であった.季節的には,5月の値が大きかったが,これは冬季間のアイスアルジーおよび春季ブルーミングによる生物起源物質の堆積の影響と考えられた.
- 1993-08-31
著者
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