脳室周囲白質軟化症の患児に発症したヒトヘルペスウイルス6型感染に伴うけいれん重積型脳症の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
痙攣重積型脳症は二相性の経過を辿る疾患で、熱性けいれん重積で発症し、軽度の意識障害や麻痺などの神経学的症状を残して一旦改善するものの、3〜4日後に再度痙攣群発を来たす。病初期には血液・髄液検査、画像検査や脳波所見でも異常を認めず、3〜4日後の痙攣群発時にCTで脳葉単位の浮腫を認め、同部位にMRI拡散強調画像で樹枝状の高信号域を呈する。その病態は未だ不明であり、治療法も確立されていない。多臓器不全合併例は少なく生命予後は良好であるが、神経学的後遺症を残すことが多い。 今回、我々はヒトヘルペスウイルス6型感染に伴うけいれん重積型脳症例を経験した。後方視的に検討すると典型的な症例といえたが、脳室周囲白質軟化症という基礎疾患を持っていたため急性期の神経学的評価に難渋した。積極的な治療やリハビリが奏功し、神経学的後遺症は軽度であった。
- 2010-03-25
著者
関連論文
- 脳室周囲白質軟化症の患児に発症したヒトヘルペスウイルス6型感染に伴うけいれん重積型脳症の1例
- 重症合併症とその対策 インフルエンザ脳症 (特集 パンデミックインフルエンザ--最新の知見と今後の展望) -- (臨床の最新知見--新型インフルエンザと季節性インフルエンザとの比較を含めて)
- 抗ウイルス薬 (特集 急性脳炎・脳症の概念) -- (急性脳炎・脳症の予防・治療)
- Lamotrigine による薬剤過敏症症候群の1例
- 間質性筋炎を呈した慢性再発性多発性骨髄炎の1男児例
- 間質性筋炎を呈した慢性再発性多発性骨髄炎の1男児例