口頭発表「高学年造形遊び不要論」への反論の問題点
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概要
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本論は,三根和浪・宮本恭二郎・吉川昌宏「『高学年造形遊び不要論』の検討」(美術科教育学会誌『美術教育学』第27号,2006年,pp.391〜402)の問題点を指摘するものである。上記論文は,口頭発表:吉田貴富「高学年造形遊び不要論」(第27回美術科教育学会千葉大会,2005年3月27日)への反論であるが,「手法」と「内容」に看過しがたいいくつかの問題点がある。発表者に無断で録音あるいは撮影した記録を用い,その音声を文字起こしした原稿を発表者に校閲させていない。執筆者による誤記や曲解も散見される。その結果,口頭発表は発表内容から歪められて反論の土台とされている。本来有効であったはずの一提案が,不当な手法によって利用された結果,議論そのものが不安定なものとなってしまった。議論を封じ込めようとする姿勢にも問題がある。口頭発表が指摘したリアルでシリアスな問題は,ほとんど論破されていない。
- 2010-03-20