対話的ギャラリートーク型鑑賞指導における進行役の要件について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
対話型ギャラリートークが日本に紹介されると同時に,学校教育への導入・応用の動きも始まり,啓蒙書的・指南書的な書籍の出版も相次いでいる。しかし,これらの書籍はほぼ共通して進行役(ファシリテーター)の美術的素養や扱う作品に関する知識・理解・解釈を問題にしない。むしろそれらは不要であるとの言説も存在する。はたしてこのような認識や喧伝の仕方は,学校教育における対話型鑑賞を実り多いものに導くであろうか。本稿は,対話型ギャラリートークに関する文献,アメリア・アレナスの対話型ギャラリートーク,それに小学生を対象とした実践例を再検討して,対話型ギャラリートークを学校教育へ導入・応用する際に重要な要件のひとつとして,進行役が,扱う作品に関する知識・理解・解釈を具えていることが挙げられることを明らかにした。
- 2009-03-21