「子供への愛の詩」の向かうところ : 萩原恭次郎詩集『断片』以降
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概要
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本研究では大正前衛詩人・萩原恭次郎が辿った道筋を確認する。萩原は『死刑宣告』において詩の世界に踊り出てまさに時代の寵児とも言える注目を集めた。しかし続く詩集『断片』やそれ以降39歳という若さで世を去るまでの彼の歩みは必ずしも平坦ではない。「子供への愛」の視線を契機として郷土・仲間への執着が強まりそれらを守るため侵略戦争の容認という後に「文学者の戦争責任」という形で多くの文学者・詩人たちが追及されることになる典型的な軌跡を示す。現代の詩人や表現者が社会に対してどのようなスタンスを取り得るか、正確な現状認識を拒むものは何か。本稿ではこのことについての糸口を探ろうとする。
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