カンボジアにおける環境問題について-生態系試料中の水銀調査を中心として-
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概要
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カンボジアは経済発展を続けているが,同時に環境汚染問題も表面化しており,その対策について早急に着手する必要がある.本研究では,水銀汚染の観点からカンボジアにおける環境問題を把握することを目的とし,カンボジアの都市や漁村にて採取した毛髪や生物試料(魚介類)中の総水銀及びメチル水銀濃度を分析し,水銀汚染レベルの把握を行った.その結果,魚介類を多量に摂取している漁村で採取した毛髪試料から,最も高い水銀濃度が検出された.また,採取した魚介類試料(61試料)のうち11試料中の水銀濃度値がカナダ政府勧告値を超えた.得られた総水銀濃度値や国際機関等が定めている水銀耐容摂取量を基に水銀の体内負荷量のモデル化を行ったところ,漁村で採取した魚介類から計算された水銀体内負荷量は,WHO/FAOで定める暫定的週間水銀耐容摂取量から計算された負荷量を超えた.さらに,埋立処理場でごみ分別などに従事している人の毛髪中の水銀濃度についても分析を行った結果,魚介類を多食していないにもかかわらず比較的高い水銀濃度が得られた.この結果から,埋立処理場に持ち込まれる種々雑多な廃棄物中に混入している水銀廃棄物が暴露原因の可能性が高いことが示唆された.
- 2010-04-30
著者
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本多 俊一
Waste Management and Recycling Department, Ministry of the Environment, Government of Japan (Disclai
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釜谷 美則
Associate Professor, Department of Environmental and Energy Chemistry, Faculty of Engineering, Kogak
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釜谷 美則
Associate Professor Department Of Environmental And Energy Chemistry Faculty Of Engineering Kogakuin
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本多 俊一
Waste Management And Recycling Department Ministry Of The Environment Government Of Japan (disclaime
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